マンガばっかり

マンガ批評

春待つ僕ら

★★★★

あなしん、による少女マンガ。
友達のいない女子が、なぜかイケメンのバスケ部員と仲よくなって、リア充ライフを送る話。
主人公・美月は子供の頃、人間関係に悩まされた経験があり、そこから立ち直るきっかけを与えてくれた「あやちゃん」という存在があるのだが、高校生になってふっとアメリカから戻ってきた「あやちゃん」は実は男性で、高校バスケ界のスターになっていた…
イケメン軍団の一人である朝倉永久と、だんだん美月は接近していくのだが、そこにあやちゃんが猛プッシュ。
美月も、自分の恩人であるあやちゃんのプッシュを断り切れないところがあり、そこが読みどころになっている。
まだ完結していない11巻まで読んだのみだが、その段階で美月は永久を選ぶ決断をしている。
自分のことを100%たよってくれ、という男らしく、また、事実、頼りがいのありそうなあやちゃんではなく、少々天然で危ういところもある永久を選ぶのだが、それは美月が一人の人間としてしっかりと生きていきたい、という重いが背景となっており、それはあやちゃんも納得するのだが、読んでいても、うん、まぁね、と思えた。
イケメンに囲まれてちやほやされるだけの漫画かと思っていたが、それだけではないよ、という作品であった。

(No.1162)