マンガばっかり

マンガ批評

シジュウカラ

★★★★★

酒井恵理によるオトナ漫画。
シジュウカラはもちろん四十雀から来ているのだろうが、主人公である女性漫画家の年齢でもあるのだろう。
漫画家を志しながら、アシスタントに甘んじ、主婦の座で満足していた忍は、ネットで自分の書いた漫画が売れ始めているのを機に漫画家活動を再開する。
アシスタントになったのは、近所に住む美青年。
実はダンナのかつての浮気相手の子であり、青年はひそかに忍の家の崩壊を狙っていた。
しかし、青年は、実は忍の大ファンでもあり、恨みよりも忍への共感と愛が強くなり、忍の方もだんだんと気持ちが傾いていく…
あり得ない設定ではないなと思う。
オバサンと美青年の愛なんてないから、という風には単純に言いきれない!
こういうオトナな漫画。
美青年との不倫、すれちがい、偶然…
そういういかにも大衆的だと言われそうなものをまといながらも、しっかりとこの時代に生きる人について描こうとしていて、頑張ってほしいなと思う。

(No.1207)