マンガばっかり

マンガ批評

マスターキートン

★★★★

浦沢直樹の代表作。
今さらながらマスターキートンを通読。
考古学者にして保険の調査員の日英ハーフであるキートン氏が世界を駆け巡りながら問題解決するという話。
政治や歴史蘊蓄を使いながらの大活躍は、「ゴルゴ13」や「三つ目が通る」などを思い出させる。
そもそも殆どが一話完結なので、話が簡単にまとまり過ぎで、キートンの万能さ、タイミングの良さが悪目立ちしてしまって、浅い、という印象は否めない。
ブルゴーニュ地方のシャトーで起こった事件(ブルゴーニュだと普通はドメーヌ)だとか、そういうところも信用をなくすんだよな…
能力があるのに娘には頭が上がらないとか、大学教員としては非常勤だとか、そのあたりの設定も「またかよ感」があるが、それぞれの挿話が基本的によくできているものではあるので、10話完結くらいのペースで進めた方がよかったように思う。
キートンの別れた妻も最後まで姿を現さなかったが、これだけでも話の10くらい作れたのになぁ、と…

(No.1209)