マンガばっかり

マンガ批評

EDEN

★★★★

遠藤浩輝による近未来SF。
コロナウィルス下に読むべきマンガかなと思って読んでみた。
90年代からの連載だが、AIのことなど、うまく描けているなぁと思う。
作品世界は100年ほどあとの時代のようだが、交通手段やパソコンはもっと進化しているし、もっと必要不可欠のものになっているんじゃないかなとも思ったけれど…
また人間を殺し過ぎだし、殺され過ぎだなというのも違和感があり、また、その際にも(エンターテイメントの要素なのかとは思うが)いわゆる個人的な武術や戦闘術に頼り過ぎており、それこそ100年後ならば、わざわざ人間など派遣しなくても、超小型ドローンにAIに覚えさせた人間の特徴をインプットしてやれば、ほぼ100%相手を殺すことはできると思うので、そのあたりも少し萎える感じではあった。
ただ、ウィルスが人間を一つにまとめていくという発想(妄想)は、SF的想像力としては非常に驚きであり、そしてもしかしてもしかするとそうなのかもしれないという可能性も残しているところからリアルじゃないけれどものすごくリアルであり、『幼年期の終わり』にも匹敵するほどのとんでもリアルな世界観だなと思った。
この怖さ、でも、或る意味で救いかもしれないというウィルスの在り方というのは、もっと世界的に流行ってもいい、凄い想像力であったと思う!

(No.1222)