マンガばっかり

マンガ批評

プラネテス

★★★★

幸村誠による2070年代の宇宙時代を描いたマンガ。
人類は資源を求めて宇宙に旅だち、宇宙開発反対派がいたり、あいかわらず地球上の国々は対立もしているが、宇宙空間に漂うゴミ(デブリ)を回収する人々を中心に描く。
1999年から不定期でモーニングに連載され、読んだのはNHKのBSでアニメ化されたらしく、マンガは全4巻なのにアニメでは全26話もあり、それなりのファンもいたのだろう。
星雲賞をマンガとアニメがそれぞれに受けてもいたようだ。
2070年代にしては自動車や家の様子など、ずいぶん親しみやすいようにも感じたが、奏した部分を除けば、まぁ、2070年代でもこんな感じなのだろうなぁという風に読むことができた。
一話完結で、どれもよくできた上質な、大人のマンガになっていたように思うが、それだけにさまざまな人物のエピソードを語っているためにググっと熱いものがこみ上げて来る感じの読後感に乏しく、けっこう自分もジャンプ的なものを漫画に求めているのだろうか、などとも思わされた。

(No.1224)