マンガばっかり

マンガ批評

絢爛たるグランドセーヌ

★★★★

Cuvieによるバレエ漫画。
チャンピオンRED』という青年誌に連載中のバレエ漫画。
主人公は元気なバレエ少女で、出て来るのも大抵は女性。
作者は、名前からは分かりにくいが女性であることを公表しており、16巻まで読んだところだが、恋愛色はいっさい出てきていない。
青年誌も、ここまでになりましたか、という感じ。
もちろん青年誌と言いながらも読んでいるのは、今は、いちいち男向けだの女向けだのということが無粋だが…
バレエを自分でやったことはないのだが、とてもきちんと描かれているように思う。
絵に関しては、これまでのバレエ漫画に比べると麗しさ度が低めかもしれないが、それでも奏を応援しながら読むことが出来た。
これまでのバレエ漫画との違いは、メラメラとしたライバル心を描いていることだろうか。
栗栖さくらなどは、そうとうにイヤな性格のイヤな女であり、嫌われ者だけれども実力があるというライバルの座を普通なら占める所なのだが、日本マンガはこういうイヤな女をも温かく包み込めるくらいに成長しているし、また、ヒロインとライバルの2人だけを描いて居ればOKというほどに単純ではなくなった、ということなのかもしれない。
かといって変に露悪の方向に行ってないのがいいと思う。

(No.1228)