マンガばっかり

マンガ批評

東京卍リベンジャーズ

★★★★★

和久井健による大人気ヤンキー漫画。
2021年に一番支持があった漫画ではないかと思う。
東京を舞台にしたヤンキー少年の攻防にタイムリープを交えたSFヤンキー漫画で、頭も悪いし、何よりケンカも弱い花垣武道が、恋人だった橘ヒナタを守るために12年前と現在を行き来するという設定。
カリスマヤンキーの佐野万次郎(マイキー)をはじめ、なかなかいいと思う。
幼稚園時代、小学校時代の仲間が、こんなにヤンキーになって、殴り合い、殺し合うようになるのかと思うと、恐ろしい世界観だとは思うが、そうした現実的な話を置けば、タケミチのただただ諦めないということの強さが、マイキーらヤンキーたちの共感を得て、友情と信頼の輪を広げていくあたりは、なぜか海賊王になるというだけで暴力の限りを尽くす『One Piece』よりも説得力があるように感じた。
21巻で天竺篇が完結。
22巻からはタイムリープ能力を失ったタケミチが、なぜか悪の限りを尽くすマイキーと向き合うこととなるようだが、この進み方も、蛇足感、無理な長編化感はない。
そういうあたりもいいと思う。

(No.1267)