マンガばっかり

マンガ批評

トリリオンゲーム

★★★★★

稲垣理一郎の原作に池上遼一の絵というマンガ。
こんなにうまくいくわけないじゃんか、とは思いながらも、でも、まったく無理と言うわけじゃない!
…という非常にエンターテイメントで、或る意味で人生論で、現代論であり、経済論でIT論でもあるというマンガ!
どうにもマンガの世界まで小難しい理屈やら合理性やらハラスメントやらパブリック・コレクトネスで小さな作品ばかり出て、あの有名作品の有名パターンを上手に取り込んで取り込んで、という袋小路に入っていたような気がする中で、ドドンと正論の王道マンガが出てきた感じ。
王道というのは、何も魔法の力を修行で高めて、仲間と一緒に旅に出ることではなく、現実世界の中で暴力をも含めた力で王様を目指すことじゃないのかい、と、いまさらながらに突き付けられる感じ。
男一匹ガキ大将』やら『野望の王国』『男組』と、いろいろあったけれど、そんなマンガを思い出させる、そして決してレトロという枠内に収めることのできないマンガだと思う。

(No.1295)