マンガばっかり

マンガ批評

地上の楽園

 

★★★★★

田渕由美子が「最後のコミックス」としたマンガ。
田渕はおとめちっくマンガを代表する漫画家だが、刊行は2021年1月。
1954(昭和29)年生まれなので、たしかに退職してもおかしくない年齢ではある。
収録作品は2003年に発表された短編を集めたもので、必ずしも最近作でもないし、最後の作品群でもないようだが、どれも悪くないと思う。
計算すると50歳の頃の作品ということになるが、この分なら、まだまだいけたのでは、などとも思えてしまう。
田渕は早稲田大学文学部卒で、やはり一橋大学経済学部卒の才媛・吉住渉にも影響を与えたのだが、そんな意味でも重要な作家であったと思う。

(No.1304)