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宮島礼吏が『彼女、お借りします』の前に描いていたヒット漫画。
原作が元麻布ファクトリーで構成協力が高橋ヒサシだとあるが、当時、人気絶頂だったAKBを実名入りで登場させているなどということから秋元康(マンガにもバンバン登場)の周辺が大きくかかわったマンガであることが想像できる。
自分の好きな女子がアイドルに憧れ、それを応援するためにAKBに女装して関わった少年が、あれよあれよとAKBの中心になり、女子としてアイドルの世界を駆け上っていくという話。
名古屋、大阪、博多で、それぞれのミッションが出され、仲間とともにクリアしていくというアイドルバトル漫画とでもいうものだが、まぁ、おもしろくないことはない!
宮島の絵のせいか、AKBのメンバーの顔はあまり似ているとは思えず、もっとも似ていたところで、特別にリアリティを感じるというものでもないとは思うがギリギリでノンフィクション味もある超フィクショナルなマンガ。
しかし、いくらやせ型であったとしても、普通に男子高校生として生活している少年が声も低いだろうし、ヒゲも生えるだろうし、筋骨は隆々としているだろうし、ということで誰にも気づかれずに女子を演じることは不可能だと思う…
ただ、そこはまぁマンガであるし、そのあたりのウソは大目に見ていいかと思う。
AKBが歌と踊りのうまさでランキング上位に食い込むというのも全くのウソだし、これもそう描かないと話にならないのだろう。
そんな大目に見すぎる必要のありそうなウソはあったとしても、十二分に面白かったし、ハラハラできた漫画であった。
個人的にはラストでもやもや感は残ったものの、ラストまで心地良く読めたというだけで大成功かと思う。そりゃ人気漫画家になるよな、と思う。
(No.1413)