マンガばっかり

マンガ批評

バター!!!


★★★★
ヤマシタトモコによるダンス部マンガ。
ヤマシタトモコといえば、『このマンガがすごい! 2011』で1位と2位を取っていたが、そっちの路線ではなく、高校を舞台にした青春社交ダンス漫画を青年誌「アフタヌーン」に連載するなどという大胆な方向転換を図っている。
これはなかなかできることじゃない!
まず、そこをアッパレと思う。
しかし、アマゾンの書評は賛否両論。
まぁ、たしかにそうだろうなと思った。
ダンスマンガや青春クラブものマンガを読みなれた人にとっては、もっとハードなもの、あるいはもっと甘酸っぱいものを期待するかもしれない。
でも、一見、ベタに思える設定やストーリーも、BLを経たヤマシタの眼から描き直されると、もっとクールで、ドライで、シニカルで、しかしやっぱり青春マンガなのだなという別の側面を見せてくれていると思う。
それでも★が1つ少ないのは、キャラでストーリーを描こうとしている無理矢理なところが気になるから…
少女漫画のぐちぐちとした展開を嫌う人にはスマッシュヒットかもしれないが、私としては、もう少し少女漫画的ぐちぐちがあった方がいいマンガになるのではないかと思った。