マンガばっかり

マンガ批評

シマシマ


★★★★★
山崎紗也夏がモーニングに連載していたマンガ。
添い寝屋を運営するシホさんと4人のイケメンたちをめぐる話… というと、なんだか頭に浮かぶのは「やれやれ」なイメージなのだが、そんな思いを抱えながらも読んでみると、実に見事な作品であった!
あくまで添い寝だけであって、肉体関係などということはご法度。
しかも、誤解されやすい仕事であるから秘密厳守。
切実な悩みを抱える女性たちからの支持はあるけれど、クライアントにはあらかじめ面接をしてシステムや相手の雰囲気を知っておく… となると、かなり現実味を帯びてくるのではないだろうか。
代表のシホさんは30代の美女なのだからイケメンの1人か2人とはそういう関係になることだってあるだろうし、マスコミだっておもしろがってこういう仕事を暴き立てることもありそうだ… 
が、そういう読み手の気持ちをうまく感じてか、ちゃんとそういう事件も起こるようにできており、そこらの予定調和のチョイエロ漫画にはなっていないのである(わざと読者にそういう気を持つように仕向けていたんだろうけど)。
連載時にどういう反響があったのかは知らないのだが、モーニングに、あきらかに女性漫画タッチの絵で、女性漫画風の内面をおいかけながらの連載はたいへんだったと思うが、中身は本当に堂々たるもので、全12巻という長すぎることもなく、短すぎることもない連載が終わっているということは、日本漫画万歳と言わざるを得ない!
(No.856)