マンガばっかり

マンガ批評

天は赤い河のほとり


★★★★★
篠原千絵の大河漫画。
1995年から2002年まで少コミに連載されていたもので、現代の中学3年生がタイムスリップしてヒッタイトに行ってしまう、という話。
どこかで聞いたような設定だが(王家の… )、日本からヒッタイトに行った後、何度も戻ろうとはするものの、結局、戻ることはなく、また、ユーリが20世紀という未来から来たこと、また、日本という異文化の土地からやってきたことについてほとんど描かれていないというのが珍しいなと思った。
ユーリはただただ平和が好きな、納得できないことには自分から解決していこうと思ってしまう人なのだが、そういうキャラによって人間関係を構築し、また、さまざまな事件や戦争をうまく切り抜けていっている。
未来も日本も、そういう設定は、ほとんどなくてもよかったのではないか、また、魔法なども使わなくても、いや使わない方がもっとドロドロと、また、もっとさわやかな大河ロマンになったのではないかという気はしないでもないが、ひさびさに読んでいるうちに眠れなくなった、というマンガであった。
(No.1043)