マンガばっかり

マンガ批評

さくらと先生

★★★

蒼井まもる、が別冊フレンドに連載していた少女マンガ。
タイトル通り、先生と生徒のラブストーリー。
高校3年間をドキドキしながら過ごす話なのだが、非常にリアリスティック。
さくらに恋心を抱いているらしい同級生がいたり、さくらを支援する女友達がいたり、先生を慕う女生徒もいたり…
しかし、大きな事件に発展することもなく5巻で大団円。
うん、いいよ、そういうもんだよ。
もし先生と生徒が恋愛なんかしたら、やはり学校内で2人で話をするのは禁止にするだろうし、家を訪ねるのもナシにするだろう。
こんなストイックな2人なので、大きな事件を起こすこともなく卒業を迎えられたわけだが、ちょっと待て!
ほんとうにリアリスティックに高校3年間を乗り切ってしまったら、エンターテイメントとして、それでいいの? という気がしなくもない。
名探偵コナンの周りで殺人事件が多くおこり過ぎるので、その回数を少なくしたら、それはそれでリアルかもしれないが、「名探偵もの」として大丈夫なのか、と思うはず。
ストイックに3年間を過ごそうとしても、何かの邪魔が入ったり、何かの事故があったりして、ドキドキし、ハラハラし、すれちがったりするからドラマになるんじゃないだろうか…
リアリスティックに描いていることは評価したいけれど、それだけというのは、やはりマンガとしてはどうかな、と思う。

(No.1167)