マンガばっかり

マンガ批評

やがて明日に至る蝉

★★★

ひの宵子による単行本。
『このマンガがすごい! 2024』 のオンナ編で21位、「性被害者の心の痛みに迫る悪漢の表題作」という紹介文から読んでみたのだが、性被害を受けたはずの女子が、あまりそのことを気にしていないというか引きずっているようにも見えず、むしろその弟である遥斗との関係を追いかけているようにも読めて、そのあたりが自分に繊細さが欠けているせいでもあるのだろうけれどピンと来なかった。
他の収録作品についても、悪くはないが、習作的な、実験的な感じであり、そういうのは新人漫画家としては仕方がないのかもしれないが、もう少しかなぁ、と。

(No.1386)