放浪息子

★★★★★
志村貴子による男の子みたいな女の子と女の子みたいな男の子についてのマンガ。
そう言ってしまえば、頭の中になんとなくキワモノっぽい感じが浮かんでくるかもしれないが、彼ら二人を取り巻く世界は細かく丁寧に描かれていて、キワモノっぽさは微塵もない。
何よりも、かなり特殊な人たちを描いていながら、特殊な感じがしないところがよいと思う。
マンガに派手さやどぎつさ、メリハリを求めている人たちには、何が何やらつかみかねる作品に思えるかもしれないが、ポスト少女漫画、ポストＢＬ（？）を求める人なら、はまることは必定。
しかし、少女漫画の生息できる場所が、もはや小学校におけるトランスジェンダーといった特殊な空間にしかないというのであれば、ちょっとカナシイような気もしたりする…