マンガばっかり

マンガ批評

バクマン。


★★★★★
小畑健大場つぐみのコンビ(「デスノート」の漫画家と原作者)の新作。
今度はマンガ家を目指す中学生コンビの話。
そこに美少女がからみ、少年誌のビジネスもからみ… という本格派。
てっきりデスノの系統でやるのかと思ったら… 大いにはずれた。
そう、予想が大きくはずれたので5つ星である!
そもそも「デスノート」は連載の1回目からして不満だったのが、最終巻になるともう痛々しくて目も当てられないくらいの失敗作だと私は思っている。
なのに、全く作戦を変更して、誰も予想できなかった方向での熱血&初恋マンガにしていて、とてもよいと思う。
マンガ家ものに駄作はないと言われており、最近は福満しげゆき島本和彦よしながふみ日本橋ヨヲコ… など(マニアックな例ばかりだな)も描いているのだが、スポ根が通用しなくなった今、「マン根」を打ち出すのはしごく健全な動きだと思う。
そしてエロでも萌えでもなく、初期ラブコメ的な要素が織り込まれているのもいいと思う。
バクマン。」は、これからいろいろなところで評価されることになると思うが、他のマンガと違うのは、同人誌時代がないということではないかと思う。
ジャンプという媒体に描かれていることもあるとは思うが、「持込→月刊→週刊誌連載→アニメ化」という流れで描いているところが興味深い。
まさかこれが集英社によるコミケおよび同人誌批判である、などと事を荒立てる気はないけれど…