マンガばっかり

マンガ批評

鉄道少女漫画


★★★★
中村明日美子による鉄道、というか小田急線限定で少女漫画をオムニバス的に描いた連作。
鉄道好きの女子の増加についていろいろ考えていたこともあって読んでみたのだが、そういう意味においてもなかなか興味深いものであった。
男性による鉄道マンガだと、どうしても薀蓄やメカばかりに凝ってしまうのだが、お気に入りのインテリアだとか配色だとかにこだわりのある女性が数多いように、小田急文化へのこだわりやら偏愛やらでも、十分に鉄道漫画が描けるのだということが、これで証明できたと思う。
なぜ小田急なのかと言えば、著者がこの近辺に住んでいるからなのだろうけれど、まぁ、確かに東急じゃ短かすぎるし、京王も西武も東武も山には行っても海には行かない。
京急は海には行っても山には縁がない。
お金持ちの街(成城学園)も本厚木も、小田原も知っているだけの深さが小田急にはあるのかもしれない。
私には「めちゃ混んでる」「路線が長大で親しみにくい」という感じがあるけどな…
力を入れた漫画という感じはしなかったが、それはそれでよいと思う。