マンガばっかり

マンガ批評

ストロボ・エッジ


★★★★
咲坂伊緒による全10巻の王道ラブコメ
なんといっても主人公・仁菜子の眼にビックリ。
眼の大きな女の子が出てくるマンガになど、今さら驚かなくなってはいるが、この子の場合は眼が大きいだけではなく全円なのだ。
ほとんど360°で歪みなし!
犬のペキニーズみたいな感じ…
しかし、作者が1巻の冒頭で「とにかくていねいに」と描いているように、人間関係をきちんと丁寧に描こうとして、それがきちんと読者にも支持されていたようで、少女マンガは廃れてないな、と嬉しく思った。
ブコメは男性作家が描く時代か? などと書いたけれど、完全に男女が逆転してしまったというわけではないようですね。
いつでも誰かに告白され、クールに拒否するイケメン蓮くんも、きちんとオドオドしたり、ヘタレだったり、ドキドキしたりするあたり好感が持てる。
そりゃぁ、男だって女だって顔がいいに越したことはないのだが、それだけというわけにはいかないのだという当たり前のことが、きっちり描かれている。
10巻あたりになると、いい意味で蓮くんのオーラも無くなっていて、あぁ、これはいいマンガじゃないかなぁと思えた。
登場人物がいい人すぎたり、サブキャラ学くんの恋愛を描いた番外編などに、「?」と思うこともなくはないが、登場人物を死なせることなく愛と感動をきちんと与えるマンガになっているという意味で成功していると思う。