マンガばっかり

マンガ批評

東京ラブストーリー


★★★★★
柴門ふみによるラブストーリー。
1988年に描きはじめられ、91年にドラマ化されたのだという。
ドラマでは見ていたが、漫画できちんと読んだのは初めて。
いかにも80年代っぽい、ライトでバブリーな話だとして名前があがるが、そう悪くないもののように思った。
宮台は『サブカルチャー神話解体』の中で「ぷっつん女」として赤名リカをあげていたが、ちょっとそのイメージは違うように思った。
たしかにエキセントリックな(あるいは装っているだけ?)プッツン女性というような存在が、あの時代に多かった気はする。
しかし柴門があとがきでリカにはモデルがいたのだと書いているとおり、実際にああいった感じの女性はいて、海外での生活経験と日本での生活が合わない帰国子女(これも当時は注目を集めましたね!)、また、雇用機会均等法施行前後の女性たちの社会進出の意欲の増大と現実とのギャップ… などから考えても、かなりリアリティのある存在であり、それをかなりきちんと描けているように思った。
このマンガ・このドラマのヒットは、あの頃の男も女も、リカのことを困ったやつだと思いながら、けっこう支持していたのではないかと思う。
80年代は、やはり「スカ」ではなかったのだ!!
(No.747)