マンガばっかり

マンガ批評

コウノドリ


★★★★★
鈴ノ木ユウによる産婦人科医マンガ。
主人公の鴻鳥サクラが孤児院で育ったこと、秘密ながら人気ピアニストであること、というあたりが漫画っぽい設定だが、それが作品中でリアルに生かされていないあたり、もう少し何とかなるのではないかなとは思うものの、9巻まで読んだ現在、なかなかよい作品であるように思う。
新しい命が生まれるということ、しかし、時に死産もあり、また母体の死にも立ち会わなければいけないというのが産婦人科医なのだが、さまざまな症例、さまざまな患者の中で、うまくそれを描いているように思う。
もとより自分は産婦人科医ではないので、どれくらいここで描かれていることが真実なのかはわからないが、真実だなと素人に実感させるだけのストーリーではあったと思う。
ただ、或る産婦人科医が綾野剛目当てでドラマを見ていた娘に「ちっ」と言い放ったという… それがどういう意味の「ちっ」であったか、私には判断できないのだけれど。
(No.920)