マンガばっかり

マンガ批評

ポーの一族 春の夢


★★★
萩尾望都先生による40年ぶりのポーの一族
カバーには絵も顔も変わりました、とあるが、違和感は最後まで消えなかった。
萩尾先生もぼちぼち70歳ということで、頭はともかく、手の方はもう細かな線が描けないのかもしれない。
そのためか、コマ割りやストーリー展開も、どこか違和感が付きまとったことは告白しなければなるまい。
山岸凉子先生の『舞姫 テレプシコーラ』は、やはり絵の野太さは気にはなったものの、一種の味になっていてよかったのだけれど…
手塚治虫先生も、アイディアはバーゲンセールしたいくらいにあるけれど、手の震えはどうにもならない、と嘆いていたが、つまりは、そういうことなのだろう。
円熟は大事だけれど、若さも、やはり大事なようだ。
ポーの一族のようにはうまくいかない… →自分に言い聞かせてもいます。
(No.1007)