マンガばっかり

マンガ批評

ハッピーシュガーライフ

鍵空とみやき、による純愛サイコホラーで、6巻の帯によれば60万部突破で、アニメ化もされている人気作品らしい。
愛のためなら何をしも許されると錯覚している女子高生が、童女を軟禁しながら溺愛し、自分たちの生活に害を与えそうなにな存在を次々に殺害していく… という話のようだ。
そんなことありえないとか、残酷すぎるとか、そういうお説教をするつもりはないけれど、知能犯なら知能犯らしく、もっと計算しながら生きていくだろうし、8歳の少女だって、そうそう都合よく記憶を無くしたりはしないだろう。
生徒に関係を迫る先生、年上恐怖症になる少年、ぼろぼろになりながら妹を探し続ける少年… と、誰一人をとってもリアリティがなく、どの言動も、まったく響いてこない。
どんなSFでも、どんなファンタジーでもいいけれど、人間のリアリティを少しも描こうとしない創作には意味もないし価値もない。
ふわっとした絵と、内容の残酷さ・酷薄さのギャップで釣ろうというだけにしか思えない。

(No.1150)