マンガばっかり

マンガ批評

消えた初恋

★★★★

ひねくれ渡という人の原作と、『俺物語』で作画を担当したアルコによる勘違いBL。
青木は大好きな橋下さんから消しゴムを借りたが、そこには男子生徒・井田の名前と💛印が彫られておりショックを受ける。
が、その消しゴムを落してしまったところそれを拾い上げてくれたのが当の井田。
不審に思う井田に対して、消しゴムの持ち主が橋下さんであることを言えず、自分の消しゴムなのだと告白。
ここから井田は自分が告白されたのだと思って悩み始めるが、青木の方は、だんだん井田のことが気になってくる…
非常に巧妙に作られており、まぁ、たしかに青木なら、橋下なら、井田ならと思ううちに話が進んでいく。
腐女子の方々には、こういうドキドキがたまらないのかもしれないが、なんだか自分の気持ちをうまく整理ができないで動揺する青木が気の毒で、なんだかいたたまれない気持ちになってしまった。
そんなことを思うのは同性愛を正常ではないと思っている偏見によるものだということなのかもしれないが、自分のセクシャリティがどうなっているかがわからなくて悩んでいる人を見るのは辛く、気の毒すぎて、アッハッハと笑い飛ばす気にはなれなかった。

(No.1247)