マンガばっかり

マンガ批評

怪獣8号

★★★★★

松本直也による王道もの。
少年ジャンプ+」連載中のジャンプ系マンガで、あまり好きなジャンルではないのだが、これはけっこう面白いと思う。
主人公の日比野カフカ(32)は怪獣大国・日本の影の存在。つまり怪獣退治のエリート集団である日本防衛隊の隊員になることができず、退治された怪獣の死体処理を専門とする清掃業者である。
一方、カフカの幼馴染の亜白ミナは、かつては「怪獣を全滅させよう」と共に誓った仲なのに、今や日本防衛隊の精鋭となっている。
防衛隊の受験資格が33歳まで引き上げられたところでカフカは再度受験を決めるが、謎の怪獣を飲み込んでしまったことから、自分も怪獣化してしまい「怪獣8号」の番号を付けられる存在となる…
幼馴染ミナとのラブコメ、先輩カフカと後輩レノのバディ関係、ツンデレお嬢様のキコルと弱気なおじさんカフカの対比、地震大国・日本をもじった怪獣大国・日本という設定の巧妙さ等々から、ただただ怪獣をやっつけてヒーローになるぞという熱血王道ものとは違って、ちょっとゆるかったり、人間味があったりで、おそらくはその生真面目過ぎないところ、つまりはリアリティも担保しているあたりがいいのかなと思う。

(No.1261)