マンガばっかり

マンガ批評

ドカベン スーパースターズ編

★★★

水島新司のライフワーク。
明訓高校出身者たちがこぞってFA宣言したことから、プロ野球機構の総裁が山田世代を日本にひきとめようとパリーグに新しく2球団を設立(パリーグというとことが水島マンガ!)。
それが東京スーパースターズと四国アイアンドッグス。
スーパースターズは監督が土井垣で、明訓選手がここに集まっている。
一方、アイアンドッグスの監督は犬飼小次郎。
2004年から20012年までの連載だが、実際のプロ野球選手も実名のまま登場し、マンガの登場人物たちと勝負する。
しかし、おそらくはそのおもしろさのために、実際のプロ野球の結果や年次進行のため、それぞれの試合の描写は簡単になり、よくもわるくも無印ドカベンのような濃厚なドラマ性はない。
それでもマンガ的な主人公が続々登場し、後に殿馬と結婚する女性三塁手のマドンナや、やはり女性の投手・立花光が登場したり、水島の他マンガの主人公である真田一球が登場したり、水原勇気岩田鉄五郎のチームと戦ったりという波乱万丈が楽しくもあった。
プライベートでは里中が山田の妹・サチ子と結婚し、山田は保育士だった木之内彩子と結婚するなどの変化もあり、そしてセリーグにも新しく2球団が新設されてドカベンの最終シリーズであるドリームトーナメント編に繋がるようだ。
こんな大河野球マンガは、今後、描かれることはないだろうし、ここまで実名で現役選手が出て来る野球マンガも、もう描かれることはないように思う。

(No.1325)