マンガばっかり

マンガ批評

アメコヒメ

★★★★★

高松美咲によるアメコという得体のしれない女子が降ってきて、また、元の世界に去っていくという話。
しかしSFというのではなく、そんな事件に翻弄される男子高校生・野呂と音成の友情とそのすれ違いの物語なのだろう。
野呂の家は母が若くして自殺しており、音成はイケメンであちこちで女子から告白を受けている…
こうした些末な情報は野呂にもアメコにも全く関係ないことなのだが、こういう関係ないことも丹念に描くことで人物に厚みがつき、あれやこれやの感情や行動を納得のいくものにしているのだと思う。
『スキップとローファー』で人気の作家だが、それとは全く作風が違いながらも、いや、それこそこうした作品を描いていたということによって「厚み」がでていて、それが『スキップ…』を成功作としているのだと思う。
まぁ、「教養が大事だ」みたいな話かもしれないけれど…

(No.1326)