★★★★★
平井大橋による『このマンガがすごい! 2024』のオトコ編1位になった作品。
絶賛の嵐であった…
才能がありすぎて、周囲とうまく人間関係がとれなくなった小学5年生・綾瀬川次郎の物語であり、たしかにこういう野球マンガはなかった、と思う。
ただ、似た問題は、たとえば『ブスなんて言わないで!』でも扱われていたと思う。
容姿が悪いばかりに、ずっと人から蔑まれていた女性が、自分をずっと蔑んでいた(と思われていた)美女に向かい合う話だが、美女は美女で、自分の意志が反映されることもなく周囲が勝手に動いてしまって、他人とのコミュニケーションが円滑にとれない不幸な存在であった…
優れた容姿をもった或る女性が、「結局、みんな顔しか見ていない」とぼやいていたことを記憶しているが、それは他人から見れば贅沢な悩みに思われるかもしれないが、本人にとってはかなり深刻な悩みだったのではないかと思う。
ふと思ったが、天皇の子どもたちなども「真の友人」を持ちにくかったのではないか、などとも思ったりする。
殴り合いのけんかをしたり、イジメたりイジメられたりということも、良くも悪くもなかったんじゃないだろうか。
「イジメと無縁」というのは、ちょっと考えると理想的である気もするが、「イジメを受けることさえもできない聖なる地位」から身動きも取れない存在というのは、本人にとっては、実はそんなに嬉しいことでも無かったのではないか、とも思う。
余計なお世話、だろうけれど…
(No.1376)