マンガばっかり

マンガ批評

愛しあう事しかできない/ラブ・ソー・スペシャル

愛しあう事しかできない

桜沢エリカのオシャレ・マンガ。
原律子中尊寺ゆつ子(1962年生れ)と岡崎京子桜沢エリカ(1963年生れ)というのが女流マンガの新しい流れを担っていた。
桜沢は絵もうまいし、話もうまくまとまっている。
しかし、ただそれだけ。
原にはど根性があるし、中尊寺にはサブカルへの強い思いが感じられ、岡崎はマンガを文学にした…
しかし、現在も活動を続けているのは、4人の中で最も中身の薄い桜沢だというところがなんとも皮肉である。
うつろいやすい風俗を描いているからダメだというのではない。
そういう雰囲気に流される人を、ただ自分も流されながら陶酔しているだけだからダメなのである。
ことに文庫本巻末にある対談はあまりにカラッポで気持ちがいいくらい…