マンガばっかり

マンガ批評

バンパイヤ

手塚治虫漫画全集(142)
★★★★
実写/アニメ化された手塚治虫のマンガ。
スランプ期の手塚はいやな人間(悪の権化であるロックのような)を書くのだという。
今もその名前を耳にするような人気作品なのに、未完で終わっているのは、客観的にスランプであるかどうかというより、手塚の自意識の問題だろう。
2巻を「大団円」でうまく締めくくりながら、どうして3巻を書きつづけないといけなかったのか、理解に苦しむところもたくさん…
バンパイヤにしても、ウェコにしても、あまりにも都合のよい妖怪であり、佳作とは言いかねるのだが、狂言回しで出てくる手塚先生やトッペイを初め、なかなかいいキャラクターがたくさん出てくるというのにもったいない話である。
落ち着いてちゃんと書けば、もっと長編で、もっと人気のある作品になったのに、と思う。