マンガばっかり

マンガ批評

あさきゆめみし


★★★★★
大和和紀による源氏物語
ずいぶん時間をかけて読んだ。
なんせ歌も一首一首、人間関係も系図を確かめながら読んでいたからね。
それにしてもとても充実した読書であった。
大和和紀もえらいが、なんといっても紫式部がえらい!
平安時代以来ハマった人が続出するのもわかる。
大和和紀は、それは現代風に、少女マンガ風にしているとは言え、私が知る限りでは原作に忠実であったし、時代や風俗を異にした世界を描いていても、それが障害にならずに読めたのはこの人の画力のおかげだと思う。
もっとも人物の見分けがたさは大変であった。花散里と末摘花くらいはわかるけれど、例えば「宇治の大君と夕顔と葵の上の区別が付けられるか?」となると、描いた本人だって、結構、難問なんじゃないだろうか?
それにしてもあらためて思ったのは、平安の時代の大小説も平成の少女マンガもツボは同じだな、ということ。
源氏なんて、イケメンで家柄が良くて、学問もスポーツもできて… って、ほとんどどこかのマンガと同じではないか!