マンガばっかり

マンガ批評

fine.


★★★★★
信濃川日出雄による美大生を描いたマンガ。
美大生というのと、今はハチクロがメジャーだが、これはもっと美術をマジメに考えているfine artの話。
大学卒業後もファイン・アートの作家を目指して頑張っている諦めきれない男・上杉が主人公。
才能があるから固執しているのか、諦めが悪いから続けているのか、このへんがヒジョーに難しいのである。
そういう道を経験したことのある人にはわかるでしょう…
そういう難しさを丁寧に描いており、このへんのダメ男描写がうまいと思う。
しかしラストになって、この上杉をダサかっこよくしすぎなのが、いくらエンターテイメントとしてもちょっと許せない感じであったし、ネタバレになるけれど、「そこで、りおに会って振り出しに戻るかよ!」と突っ込みたい気持ちになってしまった。