マンガばっかり

マンガ批評

課長島耕作


★★
弘兼憲史による超有名マンガ。
その第一作にあたる「課長」編の全巻を通読してみた。
作者が早稲田大学法学部卒でナショナルの広報部にいたということもあってか、さすがにストーリーはご都合主義な部分はともかくとして、しっかりしているし、サラリーマンたちにも共感されていたことは理解できる。
ことに作者本人が昭和22年生まれの団塊の世代であり、島も団塊の世代
マンガを読みながら育ち、社会人になってもマンガを手放さなかったという世代の産み落とした一つの成果であると考えれば、マンガ史には十分に評価の対象になると思う。
しかし、よく言われるとおり、次から次へと女性が登場し、一目見ただけで島に魂を奪い取られてしまうような女性が多すぎる。
こんな男たちと、少女漫画を読みふけっていた人たちがうまくいくはずがない!
こんな浅薄なドリームを見ながら仕事人間を貫いていたのかと思うと、なんともげんなりである。
彼らの尻ぬぐいをあちこちでさせられ、しかし、同時に自慢話をも拝聴しなければならない下の世代としてはやりきれません…