マンガばっかり

マンガ批評

森山中教習所


★★★★★
真造圭伍による不思議君マンガ。
かつて森山中学校があったところに教習所ができて… という一夏の物語。
そこにバカな主人公(清高)が通うわけだが、「こんなヤツいない」と思われるかもしれない。
けれど、あぁ、自分が大学生の時は、これくらいにバカだったなぁとしみじみと思い出してしまった。
そもそもバカとかドジとかいうのは、漫画の鉄板的キャラなのだが、バカボンのパパとか、のび太とか、ああいう気持ちのいいバカには、あまり会ったことがない。
本当のバカというのは、大学に行ける程度の知能はあるし、コミュニケーション力もゼロというわけでもない。
それなりにやる気のようなものがあって、恋愛についての夢も現実もわかっていたり… なのだが、それなのに、もっと本質的なところで大脳が機能停止している人のことだ。
<普通の人のリアル>をストーリーとしても楽しませながら描くというのは、とても難しいことだと思うが、それが成功している稀有な例だと思う。