マンガばっかり

マンガ批評

鉄子の旅(再び)


★★★★★
菊池直恵横見浩彦の鉄道紀行マンガ。
中古だけれど全巻を650円で買ってしまった。やす…
シゴトのためもあって(なんだそれ?)、もう一度読み直してみたのだが、やはり傑作であった!
一度めは鉄道ネタや横見ネタを見るのが楽しかったが、二度めになると、菊池のドラマ作りのうまさを感じさせられた。
もちろん脚色もあるのだろうが(たぶん実際の菊池はあそこまで怒っていないと思うし、鉄道を嫌がっていないと思う)、ノンフィクションである。
それをうまいこと一話の尺の中で読み応えのあるものにするというのは、なかなかすごい。
しかも絵も丁寧で、とてもウマイ。
人物が単純化されて描かれているためにうっかりしてしまいがちだが、鉄道各線もともかく(もちろん鉄からはいろいろツッこまれるのかもしれないが)、駅がとてもいい。
『新・鉄子の旅』と比べるのはかわいそうだと思うが、たしかにかわいそうなくらいに差が歴然としているのだ。
しかし、彼女の作品をこの他には知らないのだが、これで燃え尽きてしまったのだろうか?
まぁ、食うに困ることはないのだろうけれど、もったいない話だと思う。
たとえば「日本の歴史」なんていうのを、石ノ森章太郎みたいに全部描いてくれると面白い作品になるんじゃないかなぁと思う。
あ、商業的には責任取れませんけど(きっぱり)。