マンガばっかり

マンガ批評

遊戯王


★★★
高橋和希による大ヒット漫画。
殴り合いのないバトル漫画、というあたりから思いつかれたものかもしれないが、殴ること/殴られることが日常からどんどん遠のいていきながらも、強いものが闘いながら成長していくマンガは相変わらず求められ続けている狭間に生まれたのだということになろうか。
女性たちは肉体的にバトルすることなく魔法で勝負するという道を見つけたが、男子はゲームということで道を見つけたということなのかもしれない。
連載当初は藤子不二雄Aの「魔太郎がくる」のような感じだったが、カードゲームが異様に盛り上がったために、いつしかそういうマンガになっていったのだという。
まさに歴史的な意味のあるマンガであったと思う。
ただ、内容について言えば、ゲームの参加者であっても、これまでに見たこともないようなカードが存在するというのは無茶苦茶すぎると思うし、どんなゲームの天才だって思った時に思ったカードをドローすることなんてできないんじゃないかとも思うので、とてもマトモに読めるものではない。
もちろん、そんなことを言っても、「ドラえもん」に科学性を求めるような話なのだとは思うのだが…
(No.758)