マンガばっかり

マンガ批評

天国大魔境

★★★★★

石黒正数の「このマンガがすごい!」で1位になった作品。
これまでの『それでも町は廻っている』とはまるで違ったSF近未来マンガ。
よくある設定で、壁の中と外というのは『進撃の巨人』や『約束のネバーランド』を思わせるし、異世界の他者性は『惑星クローゼット』や『ワールドトリガー』、廃墟の東京をさまようのは『アイアムアヒーロー』… という風に、デジャビュ感が満載。
それだけ東京の廃墟がリアリティを持っている時代だということだろう。
その意味で、世界の設定が凡庸でないこともないように思うが、ここに少年少女、男性性と女性性といったことを絡めようとしているところが石黒の新しさなのかもしれない。
とはいえ、まだ1巻を読んだだけで、まともなコメントを言える段階ではないのだが、今後、目を離せないマンガにはなると思う。

(No.1101)