マンガばっかり

マンガ批評

ミステリと言う勿れ

★★★★★

田村由美が連載しているミステリ(という勿れ、というタイトルだけれど)。
あの『BASARA』の作者によるマンガである。
これまでのものとはずいぶん違うが、「このマンガがすごい! 2019」の2位となった作品。
大学生の久能整が、さまざまな事件に巻き込まれては、うんちくと洞察力で問題を解決していく… というマンガ。
あきらかにややこしい人間である久能のおしゃべりは、なかなか斬新で、しかも説得力もあったりする。
もちろん多くのミステリと同じく、そんなことで殺すか? そんなややこしいアリバイ作りをするか? というリアリティのあたりは気になってしまう。
まぁ、論理的には正しいかもしれないが、あり得ないんじゃないか、というような…
しかし、そういうことはおいといて、これほど世の中にマンガやミステリが溢れている中で、大御所が新境地を開いたという意味で、褒めない訳にはいかない!

(No.1114)