マンガばっかり

マンガ批評

奈良へ

★★★★

大山海による問題作!
なんといっても作家・町田康が大絶賛し、解説も書いているという本である。
「奈良」なのだが、別に奈良じゃなくてもよく、実際の作者が奈良出身だから、とりあえず奈良になったというだけで、ローカルでありながら、ローカルにとどまらない広さと深さのあるところがガロ系の名作足りえていると思う。
町田の解説も、なかなかよいと思うが、マンガ界への批評としても作中作の「時空の神殺し」を読んで欲しいなと思う。
勇気のためだか友情のためだかに人を殺すというのがどれほどひどいことなのか、王道ものマンガを全参する人たちに、もう少しマジメに考えて描いてくれよ、と私は思う…

(No.1293)