マンガばっかり

マンガ批評

おやすみカラスまた来てね。

★★★★★

いくえみ綾が男性青年漫画誌「スピリッツ」に連載中のマンガ。
札幌のバーをまかされた24歳(とは見えない)の青年である十川善十(そがわ・ぜんじゅう)を主人公とした恋愛マンガ。
青年誌への連載は、おそらく初めてではないかと思うが、もう男とか女とかも関係なく読めるものだと思う。
まぁ、テレビの恋愛ドラマだって、別に男向けだの女向けだのとは言っていないので、そもそも男女に分れているマンガというメディア自体が古いのかもしれないが…
ともあれ、この何を言いたいのがわからないタイトルを付けることからして、作者がいかに孤高の道を歩んでいるかがわかるのだが、とにかく読めてしまう。
おもしろいし、せつないし、出てくる人物たちが、それぞれのダメさがありながら、それぞれに魅力的だ。
ノーベル文学賞というのは、こういう人にこそ与えるといいと思うのだが…

(No.1314)