マンガばっかり

マンガ批評

へルター・スケルター

ヘルター・スケルター
★★★★★
岡崎京子の最終(?)作品。
「去る者は日々に疎し」という言葉がある。
好きな言葉ではないけれど、現にそうだったりすると、やはりこの言葉を使わざるを得ない。
岡崎京子の「最終作品」なんていう言葉も、使っている本人自身、イヤな気がするのだけれど、現にそうなのだから仕方がない。
岡崎京子はちょうど10年前にこのマンガの連載を終了させたが、その直後、交通事故に遭い、今も復帰に至っていない。
マンガの質をぐーんと向上させた岡崎だが、この10年の沈黙で「日々に疎い」状況となってしまった。
今、矢沢あいを知らないマンガ・ファンはいないけれど、岡崎京子を知らない人はたくさんいる。
「知らない」じゃ済まない。
意識していようがいなかろうが、岡崎の遺産の上に今日のマンガがあるというのは事実なのだから…