マンガばっかり

マンガ批評

ホムンクルス

ホムンクルス(1)
★★★★
山本英夫のマンガ。
脳に穴をあけることで第六感が獲得できるという手術を施すことから、人間が無意識下におしやっているものを見てしまう能力を持ってしまった男の物語である。
「Death Note」と同時期に通読したが、その差は歴然。
「Death Note」では、いったい何のために殺人を犯していくのかといった最も重大な点について、主人公はたいした根拠も持っていない。
また、東大に入れる知的能力があれば、すべてのことを知っており(ほとんど本も読んでいないのに!)、いかなる計算もできる(人間関係的な計算も?)という神話に則って書かれているという御粗末さ(日頃の東大批判はどこにいったんだ!?)。
しかし、ホムンクルスでは、実際にそのような能力を持ってしまったら人間は何を考え、どのように動くのかということがきちんと考えられている。
いや、それがテーマだ。
いいマンガかどうかは、人間がきちんと描かれているかどうか、それに尽きる。