マンガばっかり

マンガ批評

少女革命ウテナ




★★★
さいとうちほビーパパス(原作)のマンガ。
押山美知子の『少女マンガ ジェンダー表象論』によれば、これは王子様探しの物語ではなく、自分が王子様になるというあたりに一つの女性のあり方を提示している作品なのだという。
まぁ、そうかもしれない。
また、姫宮アンシーへの友情とも愛ともつかないウテナの思いも、性を越えた「愛情」の話として読むこともできるかもしれない。
しかし、それにしてはウテナの表象があまりにも「女の子」過ぎる気がする。
彼女が学ラン(マンガではピンク)を着るのは、男装しているというよりも、「男の子っぽいファッションが好き」というのとほとんどレベルが一緒だと思う。
校庭の裏には逆さまになった城が浮かんでいる… という話なのだが、こういうあたりは私にはファンタジックというよりも、単に子供っぽくバカバカしいだけにしか思えなかった。
もちろん、このマンガに「リアル」を求めてなどいたわけではないのだけれど、どこかにリアルがなければ人間の物語である意味がないように思えてならないのだ。