マンガばっかり

マンガ批評

大阪ハムレット


★★★★
文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞の森下裕美作品。
なんだか、これって文部科学省推薦映画みたいで、いい気がしないんだけど、まぁ、いいや。
奈良県出身のマンガ家だけに大阪弁が生き生きしている(ちょっと古い気はするけど)。
大阪の人情ものというと、いかにもイメージが浮かんでくるけれど、必ずしもそういうパターンにはまっていないところがいいと思う。
とは言っても、バリバリのビジネスマンとかファッショナブルなお姉さんといった非大阪的な人を出していないのはどうだろう。
それから、構図などを見ても、とても画力のある人に思えるけれど、敢えて登場人物をブサイクにしたり、目を離したり吊り上げたり… というあたりにも作為を感じてしまって、ちょっとその計算高さに半身だけ引いてしまう。
…つまり、逆の意味で優等生っぽいマンガである気がした。