マンガばっかり

マンガ批評

溺れるナイフ 再び


★★★★
ジョージ朝倉先生の現在連載中のマンガ。
6・7巻を続けて読んだ。
いいです、間違いなく。
やっぱりジョージ朝倉先生について行きます! と言えるだけのマンガであった。
が、この手の少女漫画をそうとう読み慣れている人でないと、楽しめないのではないかというのがジョージ朝倉先生のために危惧されたのである。
例えば、このカバーは、「ガラスの仮面」ですか? というような古さを醸し出してしまっているように思うし、内容に関して言っても、「イナカ・芸能人・少年少女時代」の三大話で人気を引きつけられた初期とは違って、中学三年生の移ろいやすい心と心のすれ違いをイタイくらいに描いていて、描きすぎていて、その移ろいやすさ、はかなさが全くもってわかりにくい!
いや、いいんです。
中学三年生の心理なんて、自分でも何が何やらわからないようなものだったのだから、他人様の中三時代だなんて、それこそわかるはずなどない!
しかし、その移ろいやすさ、ウソっぽさの中に、ときたま「あっ」と思わせられるような中学時代のしょっぱい体験やらが彷彿としてきて、このわからなさ、曖昧さとは、つまりは中学三年生の心理だったのだなと言うことに気付かせられるのである。

なので個人的には五つ星なのだけれど、大衆芸術たるマンガとしては星を1つ落とさざるを得ないんじゃないか… という作品であったように思う。