マンガばっかり

マンガ批評

ハレンチ学園


★★
永井豪の大問題作。
マンガ版を読んだことがなかったので通読してみたが、問題作ではあったかもしれないが、どこをどう読んでも名作とは思えないものであった。
学園内で大戦争があって多くの登場人物が死んでしまうのだけれど、ハレンチ学園をめぐる良識派との戦い、死者を出すこともあった学生紛争の影響など、時代の刻印を認めることはできるにしても、人間の生と性について、管理教育やら戦後体制批判といったものがあるわけでもなく(もちろん掲載誌の問題もあろうが)、今日読み直されるべき作品であるとは思えなかった。