マンガばっかり

マンガ批評

エンゼルバンク


★★★★
三田紀房による「ドラゴン桜」の外伝。
井野が英語教師をやめて転職代理人となることから、さまざまな日本社会の問題点について語っていくマンガ。
ドラゴン桜は、東大合格という明確すぎるテーマの元に、「東大は簡単だ!」という逆説を、一つ一つ手ほどきするというストーリーで、スローガンのわかりやすさと非常識さ、まさに目から鱗とも言うべきノウハウに人々は関心を持ったわけだ。
こちらのエンゼルバンクは、もっとスケールが大きく、扱われる内容も様々。
つまりドラゴン桜よりも、もっと広くて深いのである!
しかし、マンガとしてどちらが面白かったかというと、どうしたってドラゴン桜なのだ。
エンゼルバンクだと、話題が拡散しすぎて、「マンガ性」の方には、なかなか注意が向けられないからだ。
しかも、登場人物も高校生ではなく、みなオトナだということから、あまりマンガっぽいドラマも生まれない。
社長をブン殴ったり、お涙ちょうだいも、甘い恋も、なかなか描けない。
なにせビジネスがテーマなのだから、そんなビジネス社会のいろはを無視するようなヤツは出てこないのだ(桜木以外…)。
しかし、こういう形での情報伝達というのは、とてもおもしろいものだと思うし、うちの小学5年生にも何ほどかの影響を与えてくれているようにも思うのである。