マンガばっかり

マンガ批評

うた恋い。


★★★★★
杉田圭による百人一首をもとにしたマンガ連作。
どこまでが史実でどこまでがフィクションなのか、古典の素養に乏しい私には、はっきり言って分からないのだけれど、一人のマンガ読みとしては、十分に百人一首を感じさせられるし、意匠なども戦国BASARAほどに激しくアレンジされていないというあたり、なかなかよかったと思う。
それぞれの物語も、どれもどれも時代を超えた「人生の機微」というやつを感じさせるものばかりであった。
つまり、たとえ史実からどれだけかけはなれたウソであろうとも、一つの作品として十二分に楽しめるマンガだと思う。

しかし、今更ながら日本文学というやつの奥の深さはすごいな。
まだまだ遊ぶ余地はたくさん残っていると思う…
(No.710)