マンガばっかり

マンガ批評

カフェでよくかかっているJ−POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生


★★★★★
渋谷直角によるサブカル批評マンガ。
もちろんタイトルのバカバカしい長さに惹かれたというところもあるし、サブカルをくそ野郎とこき下ろすところを小気味よく面白く思ったのも否定できない。
しかし、この本のよさは、単にものめずらしさでも、無責任な批判でもなく、愛に裏打ちされた批判を描いているところだと思う。
マンガ家としてよりもライターとして著名な渋谷とは、まさにサブカルくそ野郎であって、それだけにリアリティとペーソスとが感じられるのであった。
ことに80年代のサブカルくそ野郎としては、いろいろな意味で共感できる漫画であった。
(No.804)