マンガばっかり

マンガ批評

復讐の教科書

★★

廣瀬俊・河野慶が「マガジンポケット」に連載中のサスペンス漫画。
教師に憧れる少年・黒瀬はいじめられっ子。
エスカレートするイジメのために屋上から突き落とされるが、直下にいた教師・白鳥に直撃。
二人は入れ替わってしまい、白鳥の姿をした黒瀬は、いじめっ子グループに復讐を加える… という話。
2巻まで読んだところだが、いかにも現代っ子たちが、ワイワイしながら読みそうな漫画だなと思う。
教師と生徒の人格が入れ替わることについてのリアリティは問わない。
問題は、そのようなことが起こってしまった世界の中でのリアリティ、つまり、昨日までいじめられっ子だった生徒が、次の日から先生として誰にも怪しまれることなく振る舞えるのか、ということだ。
知識や性格、口調やクセまでコピーするのは不可能だろうし、いくら姿が同じであっても、「おかしい!」と、誰もが感じるはずだが…
読者層が小学生くらいならば、藤子不二雄Ⓐの『魔太郎が来る』のようなノリで読めるかもしれないが、もう少し上の年齢層を狙うには、もう少ししたたかであるべきだと思う。
まぁ、作者にしても出版社にしても、売れているのならば、もうそれで十分なのかもしれないが…

(No.1274)